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ニュージーランド世界遺産ミルフォード・サウンドのツアー実録解説【クイーンズタウン発】

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ニュージーランド世界遺産ミルフォード・サウンドのツアー実録解説【クイーンズタウン発】

こんにちは、mikoです。

ニュージーランドの世界遺産の一つであるミルフォード・サウンドのツアーに参加してきましたので、その内容と感想を徹底レポートしたいと思います。

現地に行くにあたっての注意点なども併せて解説します。

①はじめに(ミルフォード・サウンドとは)

(1)概要 ミルフォードサウンドとフィヨルドの説明

ミルフォード・サウンドは南島の南西部のフィヨルドランド国立公園にあるフィヨルド=氷河の侵食作用によって出来た地形です。

あまり日本人にとっては馴染みの無い地形ですが、フィヨルドがノルウェー語である通り、ノルウェーにはこうした地形が多く見られます。

参考までに、こちらはノルウェーのフィヨルド。ミルフォード・サウンドに似ていますね。

一方、ミルフォード・サウンドの“サウンド”とは英語の入り江を意味します。入り江は川の水の作用によって出来るものなので、正式にはフィヨルドとは異なるものを指すのですが、当時発見された人々の中にはフィヨルドに当たる用語がなかったため、最も当てはまる言葉として、フィヨルドの代わりにサウンドが付けられたとのこと。

参考までに、こちらはフランスにある美しい入り江です

フィヨルドも入り江(サウンド)も見た目は似ていますが、どうやって出来たのか(氷河によってか水によってか)と、存在する場所(フィヨルドは昔に氷河があった極地にある)ということが大きく異ります。

そして、ミルフォードはどこから来たのかというと、当時ミルフォード・サウンドを発見したジョン・グロノの故郷であるウェールズ地方の小さな港町が由来となったとのこと。

(2)観光地としての人気

今現在は国境を封鎖している関係で、旅行者は例年より大幅に減少しておりますが、通常では毎日数千人の観光客が訪れており、またそれに関するツアーも各ツアー会社が精力的に行っております。

私達も国境が封鎖しているから席に余裕があるだろうと思って少し予約を先延ばしにしていたら、なんと第一希望日の日曜日は満席となってしまっており、渋々曜日を変更してなんとかチケットをゲットしました。皆さんも行かれることが決まった際には、早めに予約をしましょう!

(3)見どころ

ここまで解説してきて、ではこのミルフォード・サウンドの見どころは何なの?という大事なところですが、個人的には

フィヨルドでしか見れない、壮大なスケールの景色。(そもそもフィヨルドという地形になかなか行けない)特に、雨の日には何百メートルもの滝が数百個と見れるのは圧巻。また、フィヨルドが開けた先に広がるタスマン海を臨めたり、息を飲むような美しい情景を見ることが出来ます。

・フィヨルド内にいる野生動物(ペンギン、アザラシ、イルカ等)見れます。

・ツアー会社貸し切りのクルーズで一時間半ほど、フィヨルド内をクルーズ体験出来ます。

・ミルフォード・サウンドに到着するまでに見れる大自然(ワカティプ湖とテ・アナウ湖沿いの道中や国立公園内の山々や広大な草原など)やトンネルを楽しめます。

といったところでしょうか。こういった点を旅程に沿って、以下詳細に解説していきたいと思います。

②アクセス・参加したツアーについて

(1)アクセス

ニュージーランドで観光スポットを検討する際にも、最もアクセスの良い街の一つであるクイーンズタウンに寄る場合には、多くの方がこのミルフォード・サウンドにも行くことが多い様です。

アクセスが良いと言っても、クイーンズタウンから車で4時間~5時間ほど、距離にして約300km(288km)となるので、今回私達は、クイーンズタウン発のツアーを利用してミルフォード・サウンドに行くこととしました。他にもテ・アナウ発のツアーが出ており、アクセスの悪いミルフォード・サウンドにはこのテ・アナウかクイーンズタウンから行くということになります。

クイーンズタウンからミルフォード・サウンドまでの直線距離は約70kmしかないのですが、唯一ミルフォード・サウンドにアクセスする道がぐるっと迂回するルートとなるので、往復10時間ほどバスに揺られながら一日がかりのツアーとなります。

地図で見るとこんな感じです。なかなかの迂回路となっていることがわかります。また、途中にテ・アナウも確認出来ます。

そして、クイーンズタウン周辺に広がる湖がワカティプ湖、その左にあるのがテ・アナウ湖となり、道中はこの美しい2つの湖を横目にずっと車を走らせていくこととなります。

道中は一方通行はもちろん、途中かなりの山道を走っていくことになるので、運転が得意でないと大変かもしれません。一方で、所々に、パーキングエリアや絶景スポットがあるので、そういったものを楽しみながらドライブしていけるのも良さの一つです。

288kmって?

ちょうど東京福島間が288kmでした。なかなか長い距離ですね。

ちなみに東京名古屋間が約350kmです。

(2)参加したツアーについて

私達が今回参加したツアー会社は「awesomeNZ」という現地のツアー会社で、宿泊先(もしくは最寄り)のホテルまでの送迎、ガイド、ランチ、クルーズがセットになっているものです。

お値段は一人189NZD(税込)となっており、だいたいどこのツアー会社も似たりよったりの内容と値段となっている模様です。

こちらが予約したチケットです。

チケット上で確認出来る通り、私達は宿泊先から最寄りのピックアップ場所が、Crowne Plazaだったため、そちらに朝の7時半にお願いしましたが、こちらのツアー会社では、他にも何箇所か時間ごとにピックアップ場所となるホテルがあり、そちらも選べるようになっておりました。

旅程に関しては、朝の7時半に出発して、そこから休憩等を挟みながら5時間55分! かけて、ミルフォード・サウンドに到着します。

その後、1時間半ほどランチを楽しみながらフィヨルド内をクルーズ、3時50分にミルフォード・サウンドを出発。別のルートを通りながら、4時間25分かけてクイーンズタウンに戻ります。

行きの道に関して

途中でテ・アナウという街によって朝食や休憩のための時間が設けられたり、国立公園内の絶景スポットにて途中何度かバスを止めたりすることもあって、帰り道よりも少しゆったり目のスケジュールとなっています。

注意ポイント

そして、今回、私達のツアーは現地のツアー会社にお願いしたため、ガイドもすべて英語となっておりましたが、やっぱり日本語のガイドが良いという場合には、日本のツアー会社なども催行おりますので、そちらを選びましょう。

そしていよいよ、次の項目からツアーの体験談に入っていきます。

③行き道

一日がかりのツアーとなるので、午前7時半にCrowne Plazaにピックアップとなっていました。そのため、私達は宿泊先からまだ薄暗い中(4月の日の出は午前7時過ぎ)Crowne Plazaのロビー付近で待機。

時間ちょうどにawsomeNZのサインを付けたバスが到着、ガイドの方に予約番号と氏名、ランチボックスの中身(チキンorベジタリアン)かを確認され、乗車。ニュージーランドでは食事に関して、ほぼ必ずベジタリアンミールがオプションとしてある点に関しては、日本とは異なるところで、さすが多国籍国家ですね。

いよいよクイーンズタウン市街を出発してから、段々と陽が昇り明るくなって来ました。バスの右手に巨大なワカティプ湖を望みながらしばらく走り続けます。

こちらのツアー、私達はあまりツアー会社ごとの比較等をせずに予約してしまったのですが、バスガイドのお兄さんが運転をしながら道中ひたすらガイドとして喋り続けるというもので、そのガイドを聞いてみると面白い面白い。内容としては多岐に渡り、湖や山等の地理的なものから、マオリと移住してきたヨーロピアンがどのようにしてこの土地とか関わってきたのかという歴史的なこと、またまたここでしか見られない野生動物の知識や、自らがトレッキングした経験談などなど、ガイドとしてのプロフェッショナルな喋り・圧倒的な知識量に、私達は終始圧倒されていました。

一部ですが、そのガイドはこんな感じです。

そのおかげで長い長い旅路も、そしてガイドがなければ何も思わずに通り過ぎていたであろう景色も楽しんで過ごすことが出来ました。ツアーって言うのも魅力的なものですね。しみじみ。

そしてそして、少しばかり夢うつつでガイドを聞きつつ気がつけばテ・アナウに。テ・アナウは言ってみればミルフォード・サウンドが存在するフィヨルドランド国立公園に入る前に立ち寄れる最終の街となり、国立公園に近づくと、携帯の電波等が一切届かないエリアとなっていきます。電柱等も存在しません!

なので、テ・アナウは国立公園にて観光やトレッキング等をする人たちにとって、少し買い物をしたり、食事をしたりするサービスエリアの街というような感じになっています。

私達は少しお腹が空いていたので、街の中にあるカフェで朝食を取りました。

少し腹ごしらえをして、再びバスに乗り、引き続き目的地に向かいます。今度はバスの左側にテ・アナウ湖を望みながらどんどん進んでいきます。そしてついに一切電波が届かなくなり、草原のような景色がしばらく続いていきます。

こんな感じの景色の中をしばらく走り続けます。なにか出てきそうですね笑

草原のような景色が続く中で、ガイドの方から国立公園に入ったと言うアナウンスがあると、道も木々で鬱蒼としたようになり、道も一層細くなっていきます。そして、あるポイントから一気に山が高くなってきます。そして、数百メートルのトンネルを抜けると……こんな景色が広がっていました、

こうした地帯では、春先にかけて雪崩が多発するとのことで予防的に人工の雪崩を起こして、自然災害になるような雪崩を防止する仕事をする人たち(確かavalancherとガイドの方は呼んでいました。avalanchが雪崩なので、avalancherは雪崩屋、みたいな感じでしょうか)がいるそう。私達がツアーに行った4月には、まだ降雪はありませんでしたが、たしかに雪が降った際にこの急斜面を雪がなだれおちてくることは想像に易いです。

日本の山とココが違う

表面がすべて木々に覆われているのではなく、岩がかなりの部分露出をしていて、非常に荒々しく厳かな印象を受けるというところです。そこに低く雲が立ち込め、また所々滝が流れている光景はなんとも神秘的な感じを受けます。仙人でも住んでいそう。

④ミルフォード・サウンドに到着、そしてクルーズ

6時間近くの長旅の末、ほぼ時間通りに目的地であるミルフォード・サウンドに到着しました。天候は、雨がぱらついたり、少し曇ったりを繰り返していたのですが、クルーズの乗船を前にして少しづつ雨が止んできました。

ここで、朝に選んだランチボックスを受け取り、いざ乗船。クルーザーはawsomeNZと提携しているJUCY CRUISE社による運行です。

ランチボックスはこんな内容です。こちらはチキン。

 

続いてはベジ。ラップでほとんど見えないですが、サンドイッチの中身だけ(チキンか野菜か)が違い、後はすべて一緒です。

船内はなかなか立派で3階建て、1階にはミニバーがあり、コーヒーやアルコール、軽食も買えます。

2階は操縦席で、3階は見晴らしの良いルーフトップとなっております。かなり綺麗で座席もいい感じ。

約1時間半のクルーズの間は船内と船外のデッキを自由に行き来出来て、天気が優れない場合にも船内からその光景を楽しむことが出来ます。

こちらは操縦席と見晴らしのよい最上階

ですが、やはりミルフォード・サウンドに来たからにはできるだけ船外に出て、その滝や景色を間近に感じたいもの。

幸い、雨も小康を保っていたので、私達はランチ後に船外に出て景色を存分に楽しむことが出来ました。

途中、虹が何回もかかって、その景色に更に美しさを加えます。

そしてフィヨルド内の最も海側では山が開けたところにタスマン海が臨むことが出来、素晴らしい景色が見れます。

また、クルーズの最中にも残念ながらカメラには収められなかったのですが、アザラシやイルカを見ることが出来ました。動物園以外で、こういった動物が見れるのも希少な体験となりました。

あっという間に1時間半が過ぎ、クルーズから降り、ミルフォード・サウンドとはお別れ。

こんなに短時間でここまでたくさんの滝を見たのは間違いなく人生で初めてです笑。特に、今回は前日からの雨も相まって、雨の日にしか出来ない滝がフィオルド内に数多く形成されていて、その魅力を存分に楽しむことが出来ました。きれいな空気を胸いっぱいに吸い、心が洗われた気がしました。

⑤帰り道

午後4時前にミルフォード・サウンドを発ちました。旅路は不思議なもので、初めての道は非常に長く感じるのですが、一度通った道は行きの道より短く感じます。テ・アナウで一度休憩を挟んだ後はノンストップで、終点のクイーンズタウンを目指します。

季節も秋口だったので、比較的早く夕日も沈み、暗くなった車内では、ニュージーランドの映画が流されはじめました。その映画がなかなかおもしろく、小さい画面に目を凝らしてみると、なんとmikoが好きなアンソニー・ホプキンスが主演しているではないですか。すっかり2時間ほど見入っている間に、気がつけばクイーンズタウンに到着。

下車する際に、一日ツアーを担当してくださったお兄さんに感謝の言葉を述べてミルフォード・サウンドのツアー体験を終えました。

ちなみに車内で観た映画について後で題を調べてみたところ、2005年に制作された『世界最速のインディアン』(The World's Fastest Indian)という、1960年代を舞台に実在したバート・マンローというニュージーランドの最南端インバーカーギル出身のライダーの映画だった模様。

アンソニー・ホプキンスの名演は言うまでもないですが、バイクに熱い情熱を捧ぐキーウィの、真っ直ぐな、そして所々でくすっと笑える心温まる映画です。気になる方はチェックしてみてください。

⑥まとめ(感想)

今回のミルフォード・サウンドでの体験について良かった点は2つ。

1つ目

これぞニュージーランドの観光の醍醐味と言える絶景がミルフォード・サウンドにあったということ。あまり地理・歴史的なことに詳しくない私たちですが、このフィヨルドという地形は日本やその他の国でもなかなか見ることが稀であろう場所で、神秘的な形成の歴史を経て、今現在もひっそりと存在し続けていることに感銘を受けました。自然の雄大さって言葉に表すのが難しいのですが、こういう景色の中にいると、私達の存在がなんだか不思議なものにも思えてくるような、そんな場所でした。

2つ目

参加したツアーが素晴らしかったということ。特にガイドの方の語り、知識量もさることながら、偶然私達のツアーに参加している方が山中で落としたゴミがあったのですが、バスに戻る際にそれをさっと拾って、きちんと捨てていた姿に私達はぐっと来るものがありました。こうしたツアーを仕事にされている方は、ここにある自然に敬意を払ってツアーをしているという気持ちがその一つの動作からも伝わってきたからです。そして道中でのガイドでも、ニュージーランドの自然に対する愛のようなものが感じられました。今回のツアーを通して、ミルフォード・サウンドやその周辺の街々の歴史や自然などを私達もちょっとだけかじらせてもらうことで、単に自分たちで訪れるよりも何百倍もその魅力にふれることが出来るツアーでした。

⑦おまけ(もっていった方が良いもの)

ミルフォード・サウンドに持ってきてよかったものをいくつかご紹介します

・雨合羽

なにせ、ミルフォード・サウンドは年間を通してかなり降水量の多い場所で、雨が降るからこそその中で美しい絶景を見ることが出来ます。また、雨がふらずとも、クルーズ等の際に、かなり滝の飛沫が飛んでくるので、全天候でも必需品となります。

・防寒具

フィヨルド内は年間を通してかなり肌寒く、また雨が降るとその寒さに拍車をかけます。備えあれば患いなしということで、暖かめの防寒具を持ってきましょう。移動中に足元が冷えたりするので、ブランケットやストール等もおすすめです。

・酔どめ

クルーザー内のみならず、車での移動も途中山道をぬけるので、心配な方は持っていきましょう。クルーズ中タスマン海が近くなると、かなり波が高くなったりして、船酔いの危険大です。

・移動用のネックピロー

車中での移動時間が10時間近いので、寝ること間違いなし。その間首が痛くならないよう持っていくのがおすすめです。

以上、ミルフォードサウンドのご紹介でした。みなさまもニュージーランドに訪れた際はぜひ訪れてみてください。それではまた次の記事でお会いしましょう!

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