こんにちは、mikoです。
先日、従業員の友だちが働いている「The Occidental」に行ってまいりました。ここオークランドでは言わずも知れた人気店&老舗ということもあり、国境がクローズしているとは言え相変わらずの盛況ぶりです。
このThe Occidentalは地元メディアのみならず、色々なガイドブックにも取り上げられていて、オークランドを観光した方であれば、この名前をご存知もしくは足を運んだ方も多いのでは無いでしょうか。ということで、ガイドブックよりもちょっと詳しく紹介しちゃいたいと思います笑
ちなみに従業員の友人の話によると、日本のガイドブックに取り上げられているせいか、GWは観光目的の日本人がかなりいらっしゃるとのこと(コロナ以前のことですが)。この経験からその友人は日本の大型連休“ゴールデンウィーク”の存在を知ったのだとか笑(その友人は日本人ではないので、どうしてその期間だけ爆発的に日本人だらけになるのか最初は不思議だったそう笑)
アクセス
CBDのど真ん中、Vulcan Laneに位置します。この辺りはThe Occidentalのみならず、古い建物が点在していて、かつ通りも綺麗に整備されているのでとてもいい雰囲気ですね。観光で来ると思わず写真に収めたくなる感じです。隣には、Raw Power CafeとVultures' Lane、向かいには落ち着いた雰囲気のクラブCassette Nine、少し先にはLe Chef、MELBA、Mojoといった素敵なカフェがひしめき、昼も夜も楽しめるスポットとなっています。
日中の様子も動画に収めていますのでにぎやかな感じが伝わるかと思います。
◆Vulcan Laneの歴史
もともとこのVulcan LaneはQueen StreetとHigh Streetを結ぶ抜け道として作られたのが始まりで、1920年代頃には、この通りに沢山の出版社がひしめき、またジャーナリスト達が足繁く飲みに通う様からVultures Laneというニックネームがつけられました。※vultureは(弱い者を食い物にする)強欲な人間という意味
ところがいつの間にか、この通りの周辺にあった組織を行き来する娼婦や密売人や犯罪者でこの通りがあふれかえるようになり大変荒れた状態となってしまいます。
しかし、1865年にはクイーンズフェリーホテル、そして1870年にはThe OccidentalのもととなるThe Occidental Hotelが開業するなど、小さな混沌とした抜け道から1850年代までにこの通りは商業的な発展をみせていきます。1875年頃までには道路の混雑に対して苦情の声が高まってきて、1890年頃には人でごった返す程となります。そして、1920年頃にようやく道路拡張の計画が立てられたのですが、戦争が訪れたこと、戦後には自動車の交通量が多くなり、一時は以前のような社交場としての活気は薄れてしまいました。しかし、1960年代には再び歩行者天国のモールとなり、今日の姿を形成するに至ります。
といったように、オークランドの情勢と世相を見事に反映し、共に歴史を歩んできたといっても過言ではないVulcan Lane、そしてそこに訪れる人々を100年以上も迎えてきたのがThe Occidentalとも言えるでしょう。
◆昔の外観とVulcan Laneの写真
営業時間
午前10時半~late dailyとなっており、毎日12時以降も営業しています。私達が訪問した際も2軒目として来ているお客さんが結構いらっしゃいました。午前中もベルギーワッフルや、カフェメニューも提供しているので、一日中どの時間帯でも、色々な用途で使えるのが良いところです。
曜日毎にイベントを開催しており、金土日は生演奏のコンサートを行っています。私達も金曜日に訪問したので、バンドミュージックを楽しみながら過ごしました。平日は曜日毎のお得なスペシャルオファーがあります。
外観に関しては一応黒の塗装が一部されているのですが、いい意味で古めいた、目を引く外観をしています。塗装していない部分の外壁を見ると、150年の年月が経っているといっても納得がいきます。ところで、心なしか傾いて見えるのは私だけでしょうか笑。(目が悪いのですみません、ゴシゴシ。)
非常に陳腐な表現ですが、絵に出てきそうな西洋風の建物です。パブのような作りで閉鎖的な感じは一切なく、バーカウンターが正面向かって右のフロアにあるので1人で飲むこともできそう。
左のフロアにはテーブルがまとまって設けてあり、グループでのお客さんが座れるようになっています。照明も建具もカウンターも使い込まれていますが、ボロボロといった印象はありません。
金曜日の訪問ということもあり、8割程席が埋まっていました。また、真冬で私達には寒かったのですが、昼夜問わず、外のテラス席でお酒・お食事を楽しむ方を沢山見かけます。
この日は、週末のライブコンサートが行われる日だっので、途中から照明が落とされバンドの生演奏が始まりました。ポピュラーなチューンがいい感じにカバーされていて、お店の雰囲気を一層盛り上げていました。店内にはノリノリで踊っているお客さんも何人かいて、やっぱりこういうところを見ると海外にいるんだな~とふと感じます。笑
ベルジャンビアホールなので、基本的にはベルギー料理にインスパイアされているメニューが多いですが、目玉のマッスルもしかり、使っているビーフやサーモン等はローカルのものを使っていたり、また枝豆や餃子等も。メニューはバラエティに富んでいるので、食べ物の選択に困ることはなさそうです。
そして肝心のビールも流石Beer Huis(ビアハウス)と謳っているだけのことはあり、ビールがこれでもかとラインナップされたメニュー表が渡されます。
ちなみに、私はビールがあまり飲めないのでウイスキーがあるかを訊いたら、そちらも一通り揃えていたので、(あまりいないと思いますが)ビール以外が飲みたい場合にはお店の方にどんな物があるか聞いて見ましょう。もちろん、ビールに関してもどれが良いか迷った時は聞いてみると親切におすすめを教えてくれます。
Steamed MusselsとGrilled Mussels
オキシデンタルといえばマッスル、ということでスチームとグリルの両方を頼んでみました。それぞれ味付けが選べるので、スチームはクリーミーホワイトワイン&ガーリック、グリルの方はミックスプラッターという全部の味が楽しめるものにしました(全てスタッフの方によるおすすめ)。
両方ともハーフで注文したのですが、提供して頂き目の前にするとなかなかのボリュームです。正直マッスルは他のレストランでも結構食べてきたのですが、ここのマッスルを食べた瞬間、味付けや調理のバッチリさに思わず「美味しい~」と唸りました笑。マッスル自体が小ぶりな方ですが、プリプリして新鮮です。
スチームの方は、そのプリプリさが一層際立って、また容器の底にあるホワイトソースと絡めて食べると、クラムチャウダーのような感じです。マッスルの柔らかな触感が楽しめる1品です。
一方、グリルの方は外側がすこーし縁がこんがりしていて、またマッスルの上に振られたパン粉がカリカリとなって、グラタンのような感じです。味は、ハーブ&ガーリック、ほうれん草とチーズ&ベーコン、トマトとハーブ&パルメザンといった感じで香ばしいグリルドマッスルにぴったりの味付けです。少しずつ味が違うので、結構な量にもかかわらず、飽きずに完食出来ました。グリルの方がマッスルの噛みごたえと旨味はギュッと濃厚になった感じです。
両方ともしょっぱすぎることなく、またマッスルも小ぶりで非常に食べやすいので、多めに頼んで皆でシェアしながらお酒と楽しむのにぴったりです。
ちなみに、以前ここで働いていたことのある友人によれば毎日何十キロもの大量のマッスルを下処理して、数え切れないくらいのプレートに盛り付けて準備するのだとか。
House Smoked Salmon
Flemish Stew
かなり大きめのお皿にたっぷりのビーフシチューにマッシュポテトが付いてきます。後で調べたら、マッシュポテトではなく、ストゥンプ(Stoemp)というベルギー辺りで食べられる料理なのだそうで、ピューレまたはマッシュしたジャガイモやその他の根菜から作られたものとのこと。確かに、マッシュポテトよりももっとコンソメのような塩味がしっかりしていて、またじゃがいも以外の野菜の食感を感じました。(店内が少し暗めで何が入っているのか定かではなかったのですが)
シチューに関しては、ゴロゴロと柔らかいビーフが沢山入っていて良かったのですが、かなり塩味がきつく、またストゥンプにもしっかり味が付いていたため、後半から若干しんどくなりました。大勢でちょっとずつシェアする分には良さそうですが、2、3人で頼む時はご注意を!
DELIRIUM TREMENS
2008年に "Best Beer in the World"に選出されたベルギービールで、スタッフである友人のイチオシ(こればかり飲んでいるそう笑)。「DELIRIUM TREMENS(日本語訳:振戦せん妄)」はアルコール依存症の人がアルコールを断つことによって引き起こさっる痙攣のこと。イメージの象のシンボルもアルコールの飲み過ぎで見える幻覚から来ているそうです。アルコール度数も8.5%と日本でよく飲むビールと比べるとかなり高めでした。もらってきたコースターからも分かるようにグラスにそそぐと泡を綺麗に盛ることができます。フルーティーな味わいですが、先に述べたようにアルコール度数はかなり強いので、人によってはこれ一本で気分が良くなれるかもしれません。
ポイント
ここに来たらとにかく、マッスル片手にビールを飲む、もしくはビールを片手にマッスルを食すべしということに限るのかと。お店の料理全般に関しては、いろんなフードがあるので選択に困らないということの他は、値段も標準的(決して悪い意味ではなく)なのですが、とにかくマッスルとビールに関してはピカイチのお店です。また、何よりここのお店最大の魅力は、スタッフの方・お客さん・立地、いずれでもなく全部の要素が合わさって作り出している、エネルギッシュで活気のある夜の社交場としての雰囲気がとても素敵でした。